管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

直接 本人に聞くのです





2014/2


  当HPやブログをお読みの人ならわかると思うのですが、私って、けっこう、「すぐに、直接、本丸に聞く」ということをします。
 例えば、マンション管理に関することを、監督官庁の「国土交通省」に直接電話をかけて聞いたり。「駐車場を外部に貸す場合の税務に関して」という記事が新聞に出ていたら、その新聞社に電話するのではなく、その新聞記事を鵜呑みにするわけでもなく、その情報ソースの国税庁に直接電話したり。ヨーグルトの紙パックのことを「明治乳業」に直接電話して聞いたり。

 私、昔の仕事で、「マスコミがいい加減な取材で、ウソを報道したために、ひどい目にあった」という経験があり、マスコミの記事は信用しません。ですから、情報元のソースに直接聞いて確認します。また、伝言ゲームになってしまうと、絶対に、物事は正確に伝わりませんから、直接本人に聞くことを心がけています。

 マンションでは、ある住民がやってきて、「102号室の山田さんが言ってたけど、303号室の山本さんが野良猫に餌をやっているみたいなのよ。管理人さん、やめさせてよ」と苦情というか、つげ口みたいなのがよくあります。
 これも、この言葉を鵜呑みにしてはいけません。これはあくまでも「伝聞」なので、間違いである可能性が高いのです。こういう時は必ず「102の山田さん」に話を聞きます。実際に話を聞くと、「あたし、そんなこと言ってないわよ。えさやってるのは、803の高橋さんよ」なんてことがあります。そう、住民内の伝言ゲームはかなりいい加減なんです。

 「今度引っ越してきた405の吉川さんの奥さんって、中国人なんだって」といった話も、たいていはウソで、ご本人に聞いてみると、「ネパール人」だったりして。見かけは似てますからねえ。こういうことしょっちゅうあります。

 でも、このように、私が正確に物事を調べて、それを理事長に報告しても、理事長が理事会の席で、「管理人さんから報告があったんだけど・・・・・」と述べた事が、「オレはそんなこと全然言ってないよ。理事長もいい加減だなあ」なんてこともあります。とにかく、「伝言」ってだめなんですよ。

 だから、「理事会の場で、こういうふうに言っておいてよ」と住民から要望を受けた際も、まずは「ご自分で出席して発言なさったほうがいいですよ」と言いますし、「嫌だよ、そんなの」と断られたら、「正確を期すために、要望事項を文書にしたほうがいいですよ。私の口頭からの報告では正確に伝わりませんから」とお願いします。まあ、でも、それでも、「紙に書くのなんか面倒だよ」って言われるんですけど。

 そんなわけで「間接ではなく直接」というのを心がけています。ですから、「防犯カメラ設置の検討」なんて場合も、理事会の席に、「防犯カメラ会社」の社員に直接来てもらいます。こういう「専門知識」が必要なものは、フロント君の生半可な知識では議論が進みませんから、最初から専門家に来てもらったほうがいいのです。(でも、営業マンって、機械の専門知識を持ってなかったりするんだよなあ)