管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 優良な「排水管清掃業者」 
こんなこともやってくれるんだ。うらやましいなあ。




  
長年この仕事をやっていると、いろいろとわかってくることがあります。

そのひとつが、
「業者の質」というもの。(思想の違い、ともいえる)
うちの場合、「消防設備点検」の業者がころころ変わるんですが。同じ「点検」でも、いろいろと手法が違うんだなあ、と思います。
例えば、「非常ベルの鳴動試験」。ある業者は、0.2秒程度の、ほんのわずかな時間しか鳴らしません。「居住している皆さんに迷惑をかけないため」(近隣の住民のこともあります)だそうです。一方で、別の業者は、「5秒くらい」鳴らします。これは「ちゃんと鳴り続けるか」を確認する意味と、住民に、「火事になったら、こういう音がするんですよ」というのを覚えて欲しい、という意図があるそうです。
「計器の異常だけわかればいい」という姿勢と、本当に住民のことを考えて行動する姿勢、いろいろだと思います。

また、実際の作業だけではなく、その「予告」方法もいろいろです。「自分の会社だけで全部きちんとやるところ」もあれば、「全部、管理会社にお任せ」というところもあります。

今、困ってるのが、「雑排水管清掃」の業者のこと。ご近所の別のマンションに来ている業者の話を聞いて、とても、うらやましいのです。その業者は、長年、そのマンションでの作業を継続的にやっていて、優秀なんです。

「管理会社から言われる前に、自社のほうから、”今年はいつやりますか?”と声をかけてくる」
「3ケ月前くらいには、予定を決めてしまうので、住民に告知するのが早い。早いと、住民側も、旅行の日程をずらして、排水管清掃できるようにしてくれたり、配慮ができる」
「予告告知物はすべて、その業者が作って、配布・掲示をする」
「空室になっている部屋の区分所有者に電話して、在室をお願いする仕事も、その会社がやってくれる」
「ここ10年間の、全室の、やったかやらなかったか、の表を持っていて、昨年やらなかった部屋に対しては、個別に連絡して、”今年は絶対に実施してください”と念を押す仕事をやってくれる」
(うちなんかは、こういうのが全部、管理人の仕事なんで、ほんと、大変な手間がかかります。)
「掲示物に関しても、日程が近づいてくると、通常の掲示板だけでなく、エレベーターの中とか、そういう目立つ場所に、掲示物を貼って、強調してくれる」
というふうに、事前準備に力を入れてくれるのです。これは、ほんとにうらやましいです。うちは全部私の仕事ですから。業者はまったくやってくれません。

また、作業当日も、作業をしながら、同時平行で、「次の部屋」にピンポンして、「あと15分ほどで、清掃に伺います。ご準備を願いします」と予告をしてくれます。これって、住民サイドとしたら、本当に助かります。「いつ来るのかなあ?」と待っていて、いきなり、来られるよりも、15分程度でも、「トイレに行っていこう」とか「ちょっとコンビニで買い物してくるか」とか、心の準備をする時間があると、安心ですからね。

というわけで、「雑排水管清掃」の業務ひとつだけでも、優秀な業者と、そうじゃない業者には、雲泥の差があるということなんです。

雑排水管清掃というのは、予告をしっかり行なうことで、「実施率」がかなり上昇しますから、こういう仕事はほんと大事です。


2013/7


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