管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

「マンション管理員検定試験」
もうやめたほうがいいんじゃないの?
&「マンション管理の学校」寸評



2015/5


 
この前、声優業界に関して書かれている記事を読みました。
現在、一流の声優として活躍している「大塚明夫」さんが、こんなことを言ってました。

「声優養成学校なんか意味は無い。そんなのを出ても仕事は得られない。学校は仕事を保証してなんかくれない。声優は志望者の数がものすごく多く、仕事は少ない。だから、ギャラも低く、食っていけない。儲かっているのは声優養成学校だけだ。」

というわけで、私は、「養成学校」とか「資格商売」の類のものが大嫌いな人間です。

さて。

マンション管理士として活躍している深山氏が、「マンション管理の学校」なるものを立ち上げました。

「実践の知識」を植え付けることはいいことだとは思うけど。

まず、最初に、これは私の感覚だけど、「一般社団法人」とか、そういうものって、嫌いなんです。正直、胡散臭い。実際の中身は、「営利企業」なのに、それの隠れ蓑として、こういう名称をつける、あこぎな商売をする輩が大勢います。それの同類としか思えないのです。

http://mkschool1.officialblog.jp/archives/52374680.html

でもって、その「学校」の最新記事はこれ。

「管理員を支えるのは管理会社の大切な仕事」というタイトル

私は、まず、この表題が気に入らない。「支える」なんて言葉を使う時点で、管理人が「要介護者」みたいに思えてしまいます。たしかに高齢者が多いけど。上から目線なんですよ。管理会社がえらくて、管理人がアホ、みたいな意識がみえみえなんです。

私から言わせれば、「管理会社がアホだから、管理人の仕事が大変なんだ」となります。

でもって、その記事の内容。

>>>「管理員が現場を支え、フロントマンを助け、会社を支えている」

この文は素晴らしい、「よくわかってるな、えらい」と褒めたいです。

でも、その後に続く

>>>このことは、昨日初めてお会いした、「マンション管理員検定協会」の日下部理事長とも意見が一致しました。ともに管理会社を経験し、管理員の重要性を肌で感じています。

なんで日下部氏と接触しないといけないのか? 深山氏ほどの人物であれば、あの「協会」が、「資格商法」「自分たちが儲けることしか考えていない」「管理 員の地位向上など、本心では考えていない」ってことを知っているはずです。(この件は、当サイトの過去記事を検索すればいっぱい出てきます)

だいたい、「試験に合格した人に合格認定証を発行します(有料)」とか「合格者が勤務する管理会社に、在籍証明書を発行します(有料)」とか、「会員制度 を作りました。年会費は5万円です」とか、この協会はなんでも「金」「金」じゃないですか? 最低賃金で働く貧乏な管理員から、高いお金を巻きあげるっ て、暴力団のやっている「生活保護ビジネス」なみの悪行ですよ。(※意見には個人差があります)

試験問題にしても、「設問」や「回答」は一切公開されません。合格者数が公開されるだけです。これじゃ、資格試験としての体裁すら整っていません。本当の眉唾ものです。
私も何度も質問しましたが一切回答はありません。管理人の実践を重視するのであれば、当HPとの交流だっていいはずですが、過去に一切のコンタクトもありません。

「受験テキスト」を見ても、「アホか? なんじゃこりゃ?」って、「本当の管理人の実践知識を持っていない人間が作った感満載」の文がいっぱい出てきます。

女史は「管理会社勤務で管理人のこともよく知っている」との触れ込みですが、実際に管理人業務をしたわけでもありません。

いわば、「運転免許を持っていない小学生が、スーパーカーのことをあれこれ薀蓄を垂れている」ようなものです。
私から言わせれば「ド素人」です。

そんな「管理員検定協会」のヨイショをするようなことを書く「学校」には期待できません。
まあ、日下部氏のほうが有名人ですから、「虎の威を借る狐」よろしく、その名声を利用をしようとしたのかもしれませんが。


同学校の記事
http://mkschool1.officialblog.jp/archives/52373818.html

この中には
マンション管理士という資格について
「多くのクライアント(マンション管理組合)から求められて、ビジネスとしても成立させることができる」と書かれています。

私が思うに、「ビジネスになる」のであれば、その仕事だけをやっていればいいだけの話。
なんで、学校なんて開く必要があるのでしょうか? 無償奉仕で学校を開くのならわかりますが、ビジネスとして学校をやるってことは、「本業のマンション管理士で儲からないから、養成学校を商売にする」としか思えません。
(これは、「プロナーズ」に対しても同じことを思っています)

わかりやすく例えると、
「競馬場にいる予想屋」と同じです。
「予想が当たるのであれば、こんなところで他人に予想を教えて小銭を稼ぐんじゃなくて、自分で馬券を買って儲ければいいだけの話」
ってこと。
要するに「学校」をやる人って、実力がないって、ことです。


最初に紹介した記事も、結びは
>>>「管理員の対応ひとつで、フロント担当者の仕事が25%は確実に減ります。
管理員の対応ひとつで、フロント担当者の仕事が25%も増えてしまいます」

と書かれていますが、これの「主語」はフロントです。
つまり、「管理人を上手に使いこなせば、自分の仕事は楽になる」という考えであり、主役はあくまでも「フロント」であり、本気で「管理人のため」ってことを考えているわけではありません。

結局、本気で「管理員の地位向上」を考えている人間なんか、管理員以外には誰もいないってことなんですよね。特に、管理会社出身の人間は「管理人のことをわかっている」ふりをしながら、実際はバカにしていると思います。

とにかく、期待していただけに、余計にがっかりして、辛辣なことを書かせていただきました。学校としてやるのなら、お金も持っている「管理組合役員」だけ対象にしてほしいと思います。

さて、こんなことを書いていたら、管理員検定協会さんから、こんなメールが。

【団体受験】
 かねてより希望する、マンション・ビルの管理会社や清掃会社、派遣会社、
 大学、専門学校などで 個別に実施しておりました <団体受験について>
 多数のご要望を受け、今試験より“団体受験のメリット”として明記いたしました。


この資格試験もだんだん受験者が減っているようなので、こんな手を出してきましたか。大学で管理人の検定試験受ける人なんかいるかなあ? なんか、寂れた旅館が「団体のお客様来てください〜」って言ってるようなもんでしょう。

同時にこんな内容も記載されています。

今回の免除講習から、通信受講が <5月>から受講可能になりました!
ご都合の良いときに早期スタートで、確実な合格をゲット♪


【通学受講】
東京会場:平成27年8月23日(日)の1日間

【通信受講】
通信受講:平成27年5月中旬から随時


【免除講習】とは
当協会が主催する『免除講習』(「建物の区分所有等に関する法律」及び
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に関する講習)を受講し
一定の成績を修めた者は、同分野に関する十分な知識を習得しているものとみなし

第5回マンション管理員検定試験において、その出題範囲のうち
「8.マンションの管理に関する法令及び実務に関すること(2)」に該当する
“5問(問46〜問50)”を免除する講習です。


この「免除講習」というのも、本試験だけじゃ儲からない協会が、あとから出してきた「食い扶持」です。今回は、それに「講習会場に来なくてもいいですよ。通信教育でもいいですよ。」というオプションをつけたようです。
まあ、この手の「法的知識」に関する講習は教える方もものすごく簡単なわけで、低コストで高利益をあげられるかもしれないので、こういうのに力を入れて儲けるようです。

なんか、ほんと、なんでも「金よこせ!」っていう、ヤクザのみかじめ料と変わらない悪質な商売をしてますねえ。

管理人のことを本気で考えているのであれば、ストレスで精神を病む管理人が多い現状に則して、心理面のケアとかをしてあげてほしいと思います。

でも、この協会の陣容では、「現場の知識」なんかないから無理かな??