管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

繊維リサイクル 行政がバカなので3ケ月出せない




2008/6

 今日の朝のニュースでは「居酒屋タクシー」に関する自己申告調査結果発表のことが報道されていました。

 役人が、警察の捜査とは関係なしに、自分たちの罪を申告することは稀有ですから、今回の発表内容は、おそらく実際に起きている不正の100分の1しか公表されていないでしょう。民主党の長妻さんが言ってましたが、「現金によるキャッシュバックも行なわれている。金額を書かないで白紙のチケットを渡すことも日常行為」とのことですから、今回の不正って、過去の累積で1兆円近くなるような巨額な税金が役人に食いつぶされたのではないでしょうか? 
 私は昔、飲食店でアルバイトをしたことがありますが、その時に市役所の職員が、飲み食いして、会計の時に、「白紙でちょうだい。日付も書かないでね」と店長に領収書を要求していたのを見ていました。まあ、こういうのは公務員だけでなくて、民間サラリーマンもやっていましたので、その時は気にしていませんでしたが、よくよく考えると、日本国中でこういう不正が公務員によって行なわれていたのかと思うとぞっとします。きちんとしていれば、赤字国債なんて出さないで済んだんじゃないですか? 財務省の職員は「仕事が忙しくて毎日残業」とか言ってますが、自分たちの不正を隠蔽するための業務が忙しいんじゃないか?と思います。(犯罪の幕の内弁当=神○川県警も、身内の不祥事の始末が忙しく、通常の犯罪捜査が遅れているとか)

 さて、こういうバカな公務員のおかげで、我々管理人は毎日苦労しています。今回の話題は「ゴミ問題」。
「繊維リサイクル」です。
 ゴミの分別が細分化された際に、「衣類などの繊維製品もきちんと分別して回収する」ことになりました。それはそれでいいことなんですが、問題は、「回収の頻度」。
月に1回だけなんです。
 そして、もっと困るのが、「雨の日は濡れてしまう為、回収しません」という条件。これはほんと困ります。なんでも、「繊維リサイクル」というのは、回収した衣類を、繊維をほどいて、新たに別の衣類を作り直すのではないそうです。(これをやると、新品を作るよりもコストがかかって、不経済なんだそうです) 実際にやっているのは、回収した衣類の中から、「新品に近い程度のいいものを選んで、それをそのまま貧困国へ輸出して売る」そうです。
 このため、実際に繊維製品を回収している民間業者(行政からの委託を受けてやっている)は、面倒な作業をしたくないため、「雨の日は、繊維が濡れてしまうと転売できないため、最初から回収しない」とか「きれいなものでない繊維製品は、分類して焼却処分にするため、回収しない」といったわがままを主張して、このために市民は非常に困っています。また、貧困国というのは主に「暑い地域」なため、コートとかオーバーなどの冬物衣料は、たとえ「新品」であっても回収しないそうです。(このことは、「ゴミの分別の仕方」という冊子には書いていません。あくまでも内部事情で、公にはしていないのです)

 私が理解できないのは、「きちんとビニール袋の中に密閉して、濡れないようにして出しても、その日が雨だと一切回収しない」という態度です。「回収しない」というよりも、「出動しない」のですから、「ちゃんと密閉してあるよ。大丈夫だよ」と収集員に話すこともできません。また、「雨」という表現も「早朝の時点で雨が降っていなくても、天気予報が50%以上の降水確率だと出動しない」とか、「早朝まで雨が降っていたが、朝の時点で雨があがっていても、夜のうちにゴミを出す人がいて、そのゴミは濡れてしまっているから出動しない」とか、「局地的な雨の降り方の場合、A町では降っていても、B町では降っていないことがある。しかし、回収業者の会社の所在地で降っていると出動しない」とか、いろいろなわがままが多くて、「雨」の判断が、市民にはなかなか難しいのです。「市の回収」とは言っても、事実上は民間業者への丸投げで、その業者への監督はほとんどしていないようです。民間業者は、市からお金をもらっているわけではなく、あくまでも、回収した衣類を転売することで得た利益で業務を行なっているため、もうからないことはしません。(こういう内部事情は、回収業者に直接聞いて初めてわかったこと。公表されていない)

 昨年〜今年と、日本列島は雨がとても多いです。今年3月の回収日は丸1日雨でした。回収は中止です。しかし、完全な雨でも、当マンションの住民はみんな「小島よしお」です。平気で出します。ビニール袋にきちんといれて、袋の口をしっかりしばるようなことはしません。衣類はずぶぬれです。しょうがないので、私のほうで再整理して、「燃えるゴミの日」に出しました。このときも、回収員(この職員は市の職員。繊維の回収をする民間業者の事情を理解しておらず、杓子定規の対応しかできない)は、「衣類は今日じゃないよ」といったん回収を拒否しましたが、事情を説明して、渋々持っていってもらいました。なんで、管理人が頭を下げなくてはいけないんでしょうか? 行政の無策のせいでこうなったのに。

 4月の回収日。予報は雨ですが、朝の時点では曇り。住民の感覚では「出してもいい」と思います。2ケ月分が一気に出されますから、大量です。しかし、回収に来ません。業者としては中止という考えみたいです。午前中一杯はずっと雨はふらずにもったんですけどね。それに、中止するなら中止すると、ちゃんと連絡をして下さい。何も言ってこないと、こっちはどうしようもありません。役所に電話をして「中止」を確認(このマンションの回収日は平日だから、市に確認できますが、別のマンションでは土曜日だそうで、市に電話しても閉庁していて連絡が取れません)し、しかたがないので、ゴミ置き場にあった衣類をいったん全部、雨に濡れないように玄関ホールに移動しました。そして、「回収は中止です。持ち帰ってください」と張り紙をします。3割程度は持ち帰ってくれましたが、残りはそのまま。すごくきれいな衣類は、いったん物置に保管しました。残りは、次の「燃えるゴミ」の日になんとか回収してもらいました。すごい苦労しました。ただ、マンションのように、「管理人がなんとかする」ところはいいんですが、普通の住宅地のゴミ集積場では、整理する人が誰もいないため、衣類は放置されたままです。放火の絶好のターゲットだと思います。

 5月の回収日。霧雨がしょぼしょぼ降るという、微妙な天気。ゴミ集積場にはまたまた山のような衣類。(当マンションの場合は、衣類に混ぜて、関係のないゴミを出す人もいるから、ほんと大変) 「これくらいなら、回収できるだろう」と私は思いましたが、結局、回収中止でした。4月と同じような処理をしましたが、さすがに住民も頭に来たようで、私のところに「なんで、また回収中止なのよ!」と文句たらたらです。「管理人に言わないで下さいよ。市に言ってください」とお願いしても、ここの住民は、役所に苦情を言うという面倒なことはしないで、ひたすら管理人に文句を言います。
 
 さすがの私も頭に来て、市役所に電話をして、「いい加減にしろ、3ケ月連続中止だなんてどういうことだ。ふざけるな。現場の人間の苦労をおまえらはわかっているのか?」と言いましたが、「回収業者さんが決めることなので(うちは関係ありません)」とのたまう始末。ここの役人の「責任転嫁」には毎度のことあきれかえります。だいたい、役人というのは、「管理人です」とこっちが名乗ったとたんに、態度を急変して、こちらをバカにします。口調もタメ口になります。完全にこっちいのほうが年上でも。
 管理人からの苦情を聞く耳がないことはわかっているので、理事長に「理事長として市に苦情を言ってください」とお願いしたこともありますが、「管理会社の仕事でしょ」とあしらわれました。町内会会長にも文句を言いましたが、「なんとかうまくやってよ」で終わり。ほんと、ここの町内会組織は腐っています。

 この問題は、以前もマンション内で問題になり、そのときにも市に文句を言いました。「だいたい、1ケ月に1回なんて少なすぎるよ。住民はこんな暴挙を認めないぞ」と私は言ったのですが、役人は「いいえ、住民の皆さんの承諾を得てますから」と反論します。役人が言う、「住民」というのは、毎度のことですが、町内会のことです。行政の「住民への承認というのは、町内会会長の承認と同意義」という感覚、何とかして欲しいです。
 だいたい、集合住宅が増えて、町内会に入る住民の割合は激減しています。また、町内会は、事実上老人クラブであり、行政と密着した町内会長が勝手になんでも決めます。町内会員に意見を聞くことなく「当町会は了解しました」とか言うんです。役所がやる、なんとかパーティに来賓として招かれたりして、行政側に懐柔されてますから、行政のイエスマンにしかなっていません。だいたい、過去に一度も、「このマンションではどう思いますか?」と聞きに来たこともありません。うちみたいな大型マンションは、人数的には町内会の中で大きな比率をしめているはずなのに、実際には町内会の中では無視されています。一戸建てに住む一部の長老の中だけでほとんど運営されていて、その長老の意見が、この町の意見とされて、行政に伝わるのです。だから、今回の衣類のことのように、実際に生活する人が多大な迷惑を受ける政策が無理強いされるのです。老人は衣類を大事にしますから、ゴミに出すこともなく、「私らには関係ない」と思っているのでしょう。

 何とかして欲しいなあ。あおりを受けるのはこっちなんです。たとえ、雨天中止じゃなくても、「汚いから回収しない」と残される衣類も大量にあるんです。どっちにしたってやってられないです。もう、こんな無駄な回収はやめて「衣類は燃やす」でいいじゃないですか?