管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

節分の翌日 清掃が大変です




毎年、同じように困っています


 源氏物語の中に「野分」というのがあります。今の「台風」のことです。台風が過ぎ去ったあとというのは、いろんなゴミが散乱して大変なんですが。

 
我々の仕事では、2月3日の「節分の豆まき」が台風みたいなものなのです。

 マンション内でも、共用廊下に豆をまく人がいっぱいいます。また、ベランダから外に豆をまく人もいます。階段もそうです。プレイロットもそう、駐車場もそう、駐輪場もそう、要するに、2月4日に、マンションに出勤すると、
「共用部分」がみんな豆だらけなのです。しかし、自分が撒いた豆を自分で掃除する人はいません。そう、あとかたづけは、全部、管理人清掃員の仕事です。

 住民も、「豆の掃除は管理会社がやってくれる」と思い込んでいます。毎年のように、組合さんには「なんとかしてください」とお願いしていますが、「年に1回じゃないの? それくらい、やってよ」とか言って、まともに取り合ってくれません。

 なにしろ、はんぱない量が撒かれている(我々にとっては、ポイ捨てと同じ)ため、午前中はまるまる、この掃除に時間が費やされます。疲れるんだよなあ。特に、誰かがふんづけた豆は、小さく砕けているので最悪です。(こうならないよう、ここ数年は、2/4に掃除するのではなく、2/3の夕方、残業をして、今しがた撒かれた豆を、その場で掃除しています。でも、豆まきの本番は、「鬼役」のお父さんが仕事から帰ってきてからなので、そんなに遅くまでは残業できません)

 昨年気がついたのは、どうやら、一昨年夏に新築された、隣接する一戸建ての住民が、「自分の物干しから、当マンションに向かって豆を投げたのではない か?」と思われる場所に豆が散乱しています。昨年までは、ここに豆が落ちていることはなかったので、隣家の仕業ではないか? と思っています。困ったもんです。
 また、撒かれた「豆」を目当てに、鳥がいっぱいやってくることもあります。その鳥が落とす糞で、また、汚れてしまったりします。

 特に、困ったのは、今年は、「清掃員」さんが新人だってこと。「最低賃金」で「激務」(住民の民度が最悪のため、仕事の量がはんぱじゃない)でこき使われる3K仕事のため、定着しないのです。今いる人には、「もしかして、続けてくれるかも?」と思って期待していたのですが、朝、出勤してきて、今朝のこのマンションの惨状を目のあたりにした彼女は、制服に着替える前に、「信じられない。ここの住民、狂ってますよ。頭、おかしいですよ。モラル、ゼロですよ。こんな、ひどいマンションじゃ働けません!」と言って、帰って行ってしまいました。徒歩で。  トホホ。 まあ、予想はしていたけど。

 というわけで、今、必死に、私一人で掃除をしているところです。

 そういうわけで、毎年、あまりにもひどいので、今年は、私も予防線を張って、「管理会社の仕事じゃありません」「自分で撒いた種は自分で始末してください」という張り紙を貼っておいたのですが。
 なんと、それに呼応して、掃除をしてくれた人も何人かいたようです。


 でも、その「後始末」の方法って、廊下に撒いた豆を、ほうきで掃いて、廊下の隅にある「排水口」の中に隠しただけです。タバコのポイ捨てと同じじゃん!!
 これ、やられると困るんですよ。この排水管って、つまりやすいんです。でもって、その掃除が非常にしにくい。雨水以外のものを流さないで欲しいのです。

 最悪です。

 節分なんていう風習、廃止して欲しい。マジで。
 


2015/2