管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

連結送水管の耐圧試験しました 







連結送水管 【れんけつそうすいかん】
高層ビルや地下街など、消防ポンプ自動車からホースを伸ばして消火活動がしにくい建物内に、配管設備と放水口を設けて、火災現場に近い場所での消火活動をしやすくした設備のこと。建物の1階部分にある消防車から強制的に加圧した水を送るための送水口と、各階にある放水口を、配管(送水管)でつなぐことから「連結送水管」という。主に初期消火を速やかに行うための設備。高層マンションなどには必ず設置されている。

連結送水管

「連結送水管」・・・ なんか、難しい用語ですが、
Yahooで調べたところ、連結送水管というのは、上記のものです。当マンションは7階以上ありますから、設置義務があります。

 


 普通のマンションでは、マンション入り口付近の公道に面した目立つ場所に、写真のように連結口(ここに消防車のポンプをつなぐ)が配置されています。道路から少し奥まった場所にある場合は、道路に面した場所に「送水口の案内板」が設置され、消防隊が来た際に、「どこにあるのか?」が、すぐにわかるようにしなければなりません。
 しかし、当マンションの場合、送水口は非常に目立ちにくい場所にあり、かつ、住民が不法に置いたプランターの陰になっていました。おまけに、「送水口の案内板」も、住民が勝手に植えた木が生長して、案内板を隠してしまい、全然見えません。案内板自身も土埃で汚れて、何がなんだかわからない状態でした。最悪です。

 実は、恥ずかしながら、つい最近まで私、「連結送水管」というものの存在をちゃんと知りませんでした。
 でも、他のマンションでも、植栽が成長して送水口が見えなくなってしまっているところはけっこうたくさんあります。これは、管理組合&管理会社の怠慢です。というか、植栽の場所に送水口を設置する設計がおかしいです。植木屋さんが大変ですもん。「気をつけてやらないと、はさみの刃が送水管にあたって、こぼれてしまう」と。

 さて、この「連結送水管」ですが、私が今まで存在を知らなかったのは、半年ごとに行われる「消防設備点検」のチェック項目に入っていないからです。点検員が点検してたら、「隠れてわからない」なんてことにはなりません。

 そこで、
消防法第17条の3の3の規定(消防用設備等の点検及び報告)に基づき、消防庁告示が改正され(平成14年3月13日公布、平成14年7月1日施行)その結果、連結送水管及び消防ホースについては、耐圧性能点検が追加義務付けられました。

 点検のサイクルなんですが、「設置後、10年を経過したものに付き、3年毎に実施」となっています。当然、うちのマンションの場合、消防法令が変わったときにすぐに性能試験をしなくてはいけませんでした。でも、さすが、株式会社「飯加減」、いい加減の本領発揮です。今までやらずにいました。管理会社がいい加減というよりも、下請けの消防設備点検会社がいい加減なんですけどね。

 詳細は知りませんが、消防署のチェックが入ったらしく、耐圧性能試験がようやく実施されました。この試験は、「高圧で水を送り込むポンプを備えた特殊な車両」(要するに、消防署のポンプ車のようなもの)がないと実施できない試験のため、普通の消防設備点検会社では、そんな車がないため、簡単にはできないそうです。特殊な車両を保有する点検会社に別個に依頼して、点検を実施しました。特殊な車両を使うため、点検費用もけっこう高いらしく、貧乏な管理組合では、「法律が変わったために、予定外の出費を強いられた」というものらしいです。

■ 送水口から動力消防ポンプ又はそれと同等の試験を行うことができる機器を用いて送水した後、締切静水圧を3分間かけて確認する。

■送水口本体・配管・接続部分・弁類等の変形、漏水等がないこと。
 この試験に私も立ち会いました。そういうわけで、「あれま、こんなところに、送水口があったんだ」と初めて知った次第です。面目ないです。

 路上に、特殊ポンプ車両と水槽を積んだ車両を置き、送水口から、水を送り込みます。マンションに屋上にある「放水口」を開放し、水が出てくるか確認します。通水を確認し、かつ、圧力がちゃんと保たれているか(もし、圧力が落ちている場合は、配水管のどこかで漏れが生じているということ。改修が必要になる)を確認して、試験は終わりだそうです。

 しかし、うちのマンションの場合、そう簡単には終わりません。まず、最初に放水口から出てきた水の汚いこと汚いこと。点検員によると、「はじめて耐圧試験をやるようなマンションでは、どこでも、配管が錆などでよごれていて、水が汚いのが当たり前です」とのこと。とはいえ、しばらく放水しておけば、きれいな水になるはず・・・・・なんですが・・・・

 あれ? オヤマ?  え? しばらくして出てきたのはきれいな水ではなく、なんと、
「タバコの吸殻」。
 
点検員も目をあんぐり。私も、「いったい、なんで????」とチンプンカンプン。100本以上は出てきたでしょうか? 数分間放水を続けたら、ようやく何も出てこなくなり、水もきれいになって、「じゃあ、圧力を測りますね。・・・ OKです」と、試験は終わりました。

 掲示板での書き込みでも、「うちは特に何もトラブルはありません」という住民の声がありますが、それは「隠している」「知らないだけ」なのかもしれませんよ。

 今回の一件も、「管理会社が、耐圧試験実施を忘れていた」ことがばれてはまずいということで、何事もなかったように、普通に定期的試験をやっただけ、みたいな体裁にして、問題点も何もなく無事に終わったことにしましたから、うちの住民は吸殻の件は誰も知りません。


2007/5