管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

暴力団員の横暴 脅迫される管理人





警察に相談するべきです

 このサイトの読者の中には、「このHPに書いてあるように、そんなにひどい住民なんかいるの? 管理人側に問題があるんじゃないの?」なんて、のんびりしたことを言う人がいますが、そんなあなたは、無知なだけ。実際のマンション内では、あなた方が知らない恐ろしいことが起きています。知らぬが仏といいますが、矢面に立たされている管理人は大変です。

 近くの某Cマンションのお話。

 ここの管理人さんは、表面的には、非常に評判がよく、「誰に対しても丁寧に明るく接する」「真面目に掃除をする」という評価を住民から得てました。この管理人さん、8年くらい勤務して、「体調を崩したので」と辞職しました。やめる際は、「辞めないで下さい」「体調がよくなったら戻ってきてください」という意見が住民からたくさん管理会社に寄せられたくらいです。 しかし・・・・

 このマンションの最上階の隅っこの2DKの部屋。ここは賃貸になっており、所有者と賃借人との契約では、「単身女性が住む」ということになっていました。管理組合への「第三者使用の届出」も女性の名前です(ただし、表札は出していない)。 ウォーター関係のきれいな女性です。しかし、実際には入居時から、男性との二人暮しでした。住民はみな「夫婦者」と思ってました。
 この男性が、実は「暴力団」だったようです。管理人さんが退職してから、驚愕の事実がいろいろと明らかになりました。

○「屋上に自分専用の物置を設置していた」・・・・共用部である屋上に私物を置くことは普通は許されません。また、このマンションは屋上への階段に鍵がかかっており、一般の住民は上に上れません。屋上へ出入りするのは、通常は、巡回時の管理人と毎月1回来る管理会社派遣の設備管理員だけです。しかし、この暴力団員は管理人を脅して、屋上へあがる為の鍵の合鍵を作製し、そして、業者を呼んで屋上に上げ、物置(ヨドコウの立派なもの)を設置しました。中には、自動車のタイヤなどが入っていたようです。管理人は最初は当然、「ダメです」と断ったのですが、すごまれて、屈したようです。管理会社のフロントには報告して相談したようですが、フロントはろくに相談にも乗らずに、「逆らうな」と指示したようです。暴力団員の部屋は最上階で、屋上へ続く階段にも近かったため、彼が時々屋上へ出入りしていることに、他の住民は全然気がつかなかったようです。

○「共用部の電源コンセントから電気をとっていた」・・・・彼(本当は彼女)の部屋の前の廊下の壁面には、機械清掃時のための電源コンセントがありました。ここに自分の部屋から窓越しに伸ばした電源ケーブルをつなげ、比較的電気を消費するエアコンを稼動させていました。他人から見えないように、カバーをかけた自転車を前において目隠ししていました。これも、当然、管理人がやめるように注意しましたが、すごまれて屈しました。

○「ゴミ出しがひどい」・・・・この男女、ゴミの分別をほとんどしません。当然違反です。ゴミの中に名前が書いてあるものをみつけた管理人が、「ちゃんと仕分けしてください」と注意しましたが、逆に、「オマエが分別しておけ」とすごまれ、それ以来は、管理人が仕分けして出してました。

○「ペットを飼っていた」・・・・ペット飼育禁止のマンションです。そして、所有者との間で交わした「賃貸契約書」にも、「ペット飼育禁止」は明記されていました。しかし、実際はダックスを飼っていました。エレベーターにも平気で乗せるため、他の住民も気がつき、管理人に通報しました。管理人はまた注意しましたが、無論、言うことを聞くような相手ではありません。管理人は、「女性の母親が入院したため、一時的に預かっているそうです」とかなんとか、うそを言って、言い訳し続け、他の住民からの批判をかわしていました。

 この管理人さん、根が「いい人」で、トラブルを避けたい思いがあったのでしょう。住民へ強く言えなかったのです。気持ちはわかります。結果的に、この暴力団員の言うがままに舎弟のように動いていました。「理事会へ相談すればいいのに」と思われるでしょうが、このCマンション、理事会開催は年に2回だけ。「定期総会のすぐ後の、役職決め理事会」と「定期総会前の総会準備理事会」だけです。ようするに、組合が組合としてまったく機能していない、やる気全然なし組合です。相談すらできません。
 私だったら、こういう輩は許せないため、「所有者でなく、賃貸入居者だったら、所有者に報告して、出て行ってもらえばいい。」と強い態度に出て、多少にいざこざを起こすと思いますが、ここの管理人さんは「俺が黙っていればわからない」と考えたのでしょう。黙認してしまいました。その結果、なんのトラブルも起こさずに、「いい管理人さん」ということで、職を終えました。(設備管理員も気がついたはずなのに、なんで問題にならなかったのか、それが不思議)

 しかし、後釜に入った管理人さんは、普通の人でした。「屋上になんで私物の物置があるのか?」「なんで共用部の電源コンセントから勝手に電気をとっているのか?」、あたりまえですが、疑問に思いました。当事者の暴力団に聞いたら、「前の管理人から許可をとった」との返答。「そんなはずはない」と、前の管理人さんの自宅に電話をして真実を聞き出しました。そして、ようやく明らかになったというわけです。
 ペットに関しては他の住民に見られているため、定期総会でも、この暴力団員のことが話題になり、「そういえば、この部屋の窓から電気コードが延びて、廊下の電源コンセントにつながっている」とか、花火大会の時に、フェンスを乗り越えて屋上に上がって見物していた住民(この人も困った人だ)から、「屋上に大きな物置があったんだけど、台風のときとか危なくないですか? なんであんなところに物置があるの?」とか、次々にこの暴力団員にかかわることが発言され、「管理会社のほうで調べて報告しろ」という命令が下り、正直な管理人によって、過去の管理人の「黙認事項」が白日のもとにさらされました。管理会社フロントの責任も追及されましたが、当時のフロントがすでに退職をしていることもあり、会社側はシラを切り、全部、前管理人の責任にしてしまいました。

 概要を知ってしまった住民からの、前管理人に対する評価ですが、「なんちゅう管理人だ。共用部の電気代はみんなの管理費から払ってるんだぞ。ふざけてる」と怒る人もいれば、「かわいそうに。暴力団にすごまれればしかたないわよね」と同情する人もいます。とにかく、「誰からも好かれる管理人」ではなくなりました。

(でも、その暴力団員、行状はおとなしくなったものの、まだ住んでるそうです)


 うちのマンションでも、本物の組合員ではないものの、「難癖のつけ方」は暴力団なみの、困った住民が数名います。手を焼いてます。



※ワイドショーで、「奈良県の小さな町の町長たちが合同で、公費で温泉旅行(一人10万円の費用)に行っていた」ことがばれて問題になっているのを放送してました。暴力はふるわないものの、いちゃもんをつけて、税金からぶんどって自分の懐へお金を入れる「公務員」という種族も、ある意味、暴力団の「カツ上げ」とたいしてかわらないのかもしれません。
 



2007/4