管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

更年期障害?? 八つ当たりされるほうはたまりません
 




去年までは、いい奥さんだったのに



 私は男なのでよくわからないのですが、更年期障害による情緒不安定というのは、人によっては深刻な症状が出るそうです。

 ご近所のマンションの管理人さんからの話。
 マンション居住者である、某婦人。昨年までは普通の人だったのですが、今年になってから人間が変わってしまったそうです。とにかく、ささいなことでも気に入らず、すぐに管理人に文句を言ってきます。
「エレベーター保守点検の係員の態度が気に食わない。保守会社を変えろ」「うちは寿司は食べるが、ピザは食べない。ピザ屋のチラシをポストに入れるのをやめさせろ!」「機械式駐車場の点検は昼でなく夜やれ」、こういった難癖をひたすらつけて、管理人を困らせます。
 はては、「近所を散歩していたら、あるマンションのベランダから洗濯物が落ちてきた。おまえが行って文句言って来い!」まで、もうどうしようもない症状です。”管理人=自分の使用人”と思っているのか、好き勝手言い放題です。管理人は「自分より身分の低いもの」だと思っているのでしょう、「高い管理費払っているのに、もっと真面目に働きなさい!」「管理会社はあなたにどういう教育をしているの!」と、罵詈雑言を浴びせます。たまにいるんですよね。管理費と修繕積立金が全部管理会社に行っていると勘違いしている人が。管理組合の会計というものをまったく理解していないんです。管理人の給料いくらだか教えてあげましょうか? ここの管理人は70近いおじいちゃんで、給料も手取り12万円程度の激安です。(でも、この人おととしの会計監事やってたらしく、管理委託費のこととかわかってるはずだそうです・・・)

 まあ、管理人を標的に文句を言い続けるうちは、管理人は無抵抗ですから何もないかもしれませんが、この人のひどいことは、なんか気に入らないことがあると、マンション内で出会った人全部捕まえて、その人に向かって、憂さ晴らしをするようにしゃべり続けるのだそうです。ここの管理人さんは
、この人に会いたくないため、管理室の中にいる時間を極力少なくして、巡回に出たり、集会室の中で事務仕事をするように防衛手段を取っています。本当はこんなことしたくないんですが、しかたがないそうです。
 
この女性に捕まって憂さ晴らしの相手をさせられた人は、そのことに憤り、今度は管理人さんに対して、「管理人さん、なんなのあの人? 頭おかしくない?」と、ストレスを発散させます。どう転んでも、管理人にとばっちりが来てしまいます。

 住民から相手にされなくなると、今度は、郵便配達人とかクロネコのお兄さんとか、新聞配達のお兄さんとか、このマンションを訪れる部外者に声をかけます。そして、この女性、その活動範囲は当マンション内だけにとどまらず、周辺のマンションの管理人まで標的にしているのです。そのマンションの掲示板の中の掲示物の言葉尻をとらえて、「この書き方はなんなの? 管理人のくせにえらそうに」とか文句を言うのです。そう、うちのマンションにまで来ました。私も、「見たことない人だなあ」と思いつつも、まさか別のマンションの住民が自分に文句を言っているとは思わず、自分のマンションの住民だと思って応対し、「すいません。もっと丁寧な文体で書きます」とか謝りました。でも、何度か繰り返されているうちに、自分のマンションの住民ではなく、よそのマンションの住民であることがわかりました。それで、そこのマンションの管理人さんに苦情を言いに行って、このことがわかったしだいです。事情を聞くと、強いことも言えず、向こうの管理人さんも謝るばかり。最後は、「○○さんも大変だねえ。あんな基地の外を相手にしなければならないんだから」と同情しました。

 このご婦人が私のマンションの住民でないことがわかってからは、向こうが話しかけてきても相手にしないのですが、その私の態度が気に食わないのか? 「おたくの管理会社って、ちゃんと研修とかしてるの? 近所づきあいも大事なのよ」とか言いはじめました。私も頭にきて、「おたく、頭おかしいんじゃないのか! 病院いった方がいいぞ」と言ってしまいました。そうしたら、うちの会社(株ム加減)に電話をかけて、自分が誰かを名乗らずに、「管理人に基地外扱いされた」と叫んだようです。こっちもとんだトバッチリです。翌日すぐに担当フロントからお叱りの電話が来て、「いや、その人はうちの住民じゃなくて、この近所じゃ有名な・・・・・」とあわてて説明して納得してもらったという顛末。危うくクビが飛びそうな事件でした。自分のところのマンションの管理会社にも過去に何度も電話をかけて、「この管理人やめさせろ」といちゃもんをつけたそうですが、最近は会社のほうでも、この女性の声を判別するとすぐに無視して電話を切るようにしているため、その会社はあきらめて、こっちにとばっちりが来たようです。うちの会社としても、「○○マンションの住民なんだけど」と嘘をつかれると、顧客だと思って丁寧に応対するしかありません。しかしねえ、ここまで来ると犯罪ですよ。(会社の夜間受付センターの電話番号は、誰でもがわかる場所に貼ってあるし)

 ご近所では「おそらく更年期障害かなにかじゃないの? いずれにしろ病気でしょう? しょうがないわね」と、さじを投げているようです。

 こんな変人の相手をさせられて、ほとほとくたびれている最近の私ですが、 これに加えて、ここのところ、うちのマンション内の住民ですが、痴呆症の独居老人の症状が悪化して、この人の相手も大変です。「今日の朝、私の自転車が新しいものに変わってたのよ? いったい何があったんだろう? 管理人さん知らない?」と聞かれました。「この前、”自転車が盗まれたから新しいのを買ったのよ。登録しておいて”って私に言ったじゃないですか? 自分で新しいのを買ったんですよ。忘れてしまったんですか?」「え? そうだったっけ?」・・・・なんていう会話が週に2〜3回は繰り返されている状況です。この痴呆症老人は会社に電話して文句を言うことまではしませんが、なにかあるとすぐに私のところに来ます。病人をじゃけんにすることはできず、とりあえず話を全部聞いて対応しなければなりません。

 管理人業務ってつらいことばかりです。トホホ。ストレスで胃が痛いこと。


(王さんも、ソフトバンクに加えてWBCの日本代表の監督までやらされて、心労が胃に来たんでしょうねえ。手術の成功を祈ってます。お大事に)



 


2006/7



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