管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

ペット飼育会会長になったとたんに豹変



 組合の定期総会も終わり、ペット飼育者の幹部(活動は何もしないのに、役職名だけは、あれこれとしっかりと揃っている)も新しい人に変わりました。組合役員同様、1年任期・輪番制で変わります。組合役員とちょっと違うのは、「賃貸入居の人も幹部になること」です。ペットを飼う人は賃借人が多いため、「管理組合の組合員であろうとなかろうと、住んでいる限りは、そんなこと関係なく幹部になってもらう」と決めてあるそうです。

 さて、今年の会長になった人(主婦)は、日頃あまり口をきかない人です。というか、私が挨拶しても、いつもシカトされている人でして、この人、私だけでなく、他の人にもしゃべらない無愛想な人なんです。ペットの飼育方法もひどいし、ゴミ出しも最低、違法駐車もしょっちゅうという、不良住民ですから、あまり周囲と接触したくないのでしょう。

 が、しかし。

 会長に就任したとたん、人間が変わってしまったようです。正直びっくりしました。玄関ホールで他の住民と会うと、大きな声で挨拶するし、「村上ファンドってひどいですね・・・・」と世間話まで始めてしまいます。声をかけられたほうも、「この人、いきなりなんなの?!」という顔をして、おどおどしながら応対します。車椅子の住民と会うと、「私が押してあげますよ」とか「先に行って、エレベーターのボタン押しておきますね」と、福祉ボランティアさん顔負けの活躍をしています。清掃局員がゴミ収集している現場では、「いつもお世話になっています。ご苦労様です。」、新聞配達のお姉さんには、「暑い日も寒い日も大変ネエ。がんばって」と声をかけています。
 今まで、他の住民とはほとんど接触してこなかった人ですから、みんな、「あの人どうしたの?」「あの人、あんなにいい人だったっけ?」とキョトンとしながらも、見かけの評価は、土用の丑のうなぎのぼりです。ただし、「裏の顔」を知っている私たち(管理人&清掃人)に対しては、あいかわらずシカトです。

 なんなんでしょうかねえ? でも、こういう人ってけっこういますよね。学校時代も「学級委員」とか全然やったこともない、なにかのグループのリーダーになったことも一度もない人が、内容はともかく「会長」という職につくと、その名誉に舞い上がってしまう。突然、八方美人になってしまう。有り得ないことではありません。

 でも、肝心の会長職としての仕事は、全然やってくれません。「廊下のフン」の問題とか、鳴き声の問題とか、前年度からの引きつぎ懸案事項がいっぱいあったはずなんだけど。なんなんだろう? 私同様、この女性のゴミ出しの実態を知っている住民は、「あの人、自分が分別を全然しないくせに、ゴミ置き場で会った時に、私に向かって、”ゴミの分別を全然しない人がいるんですネエ。信じきられませんネエ。管理人さんも大変ですネエ”って言ったのよ。自分が一番だらしないくせに・・・」とあきれ返っていました。

 今まで、いい人だったのに、ペットを飼い始めたとたんに他人の迷惑を顧みない人間に豹変する人もいます。今回のように、会長になったとたんに「いい人を演じよう」と必死になる人もいます。

 そういえば、豹変という漢字には動物の名前が入ってますね。

 


2006/6



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