管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

PCのプリンターと修繕積み立て金の関係



2014/7


 今年の春、長年使っていた、PC用のプリンターが壊れたので、新しいものに買い替えをしました。

 今度のは、「スキャナー」もついている「複合機」というものです。

 多機能だし、以前よりも印刷スピードは早いし、大きさも、テクマクマヤコンテクマクマヤコン、もとい、コンパクトだし。素晴らしい機械です。
 そして、なにより、すごいのが、その価格。
なんと、9980円!!
 ジャパネットの社長みたいに、絶叫したくなります。
 し か し 。皆さん、御存知の通り、「プリンターの本体価格が激安なのには、わけがある」ということで。

 最初に買う、「本体」は、こんなに激安なのに、必需品&消耗品である「インクカートリッジ」の値段が、ベラボウに高いのです。私の買った機種は「6色インク」というものですが、これが、1セットで
「6000円」。(=メーカー純正商品)

 高杉晋作も逃げ出すほどの、「高すぎ!」でしょう。以前使っていた旧式のプリンターは、なんと、100円ショップで、その「互換性インク」というのが売っていて、100円ショップだけど、200円(税抜き)で売ってたから、維持費はほとんど気にしないでよかったんだけど。(この管理室はインク代も自腹なんです)
 最近機種の互換インクは、100円ショップでは売ってなくて・・・ う〜ん。困った。




 枕がずいぶんと長くなりましたが、以上のようなことがありまして。「最初は安いのに、あとの維持費が高いって、ひでえなあ」と思ったわけです。

 さてと、これから本題に入ります。

 さっき、ネット検索してたら、こんなページを見つけました。

http://www.ienojikan.com/house/kanri/20140730.html 家の時間 大規模マンションの管理・修繕

上記記事のもとになったもの
http://www.midskytower.com/50years.html 50年安心計画

素晴らしい内容なので、皆さん、ぜひ、お読みください。

神奈川県川崎市のタワーマンションで、修繕積立金を大幅に値上げをした話です。(おそらく、ここも、RJC48のメンバーだと思います。)

分譲時の修繕積み立て金「1平米当たり=40円」を「1平米当たり=216円」に一気に引き上げたそうです。
住民の合意形成は、ほんと大変だったと思いますが、よく断行したと感心します。すごいです。
また、駐車場収入をあてにしていない財務姿勢も素晴らしいと思います。

(たしか、RJC設立者の、はるぶーさんのマンションも、大幅な修繕積み立て金値上げを実施したはず)

 とにかく、読めば読むほど、「素晴らしい」の連続なのですが。私が思うに、マンション居住者に、こういう心配をかけるとか、改定にかかる多大な労力を住民側に強いる、
その原因を作った「分譲業者」の責任を考えるべきだと思うわけです。


 だって、「平米当たり40円」っていうのは、小さな50平米(2DKってとこかな)の部屋で換算すると、たったの「2000円」です。

 ちょっとマンションのことをわかっている人なら、「それでやっていけるわけがねえだろ? おまえは、アホか?」(著作権 by 横山ホットブラザーズ)って思う金額です。

 むかしむかしの、「三井不動産」の分譲マンションでは、「1部屋あたりの修繕積み立て金が、800円だった」なんてのもあって、「アホか?」を通り越して、「みんなの党か!」(=唖然だ)って思うようなのがあったから、それに比べれば、まだ、ましなんですけど。でも、とにかく、2000円は安いです。

 マンションの分譲というのは、「月々のローン金額」に「管理費」「修繕積立金」「駐車場代」などを加えて、お客さんに対して、「月々のお支払い金額は、これだけですよ」という、たかた社長みたいなアピールをします。この時に、その合計金額を安く提示できると、客側も、「この金額なら、なんとか買えるなあ」と思うわけで、管理費や修繕積立金の多寡が、購買意欲に直結してしまうわけです。それで、ほとんど、「詐欺」といってもいいような、低い金額が、初期設定されているのです。(駐車場だって、機械式駐車場なのに、その維持費にもならないような、「月500円!」なんていう設定にしたりする)

 最近は、業界も自主浄化の気持が少し芽生えてきて、昔の「平米当たり 16円」なんていう、三井みたいに、ふざけた金額はないんですが、それでも、上記の新しいタワーマンションでも「平米40円」ですから、「それだって詐欺だよ。犯罪だよ」と言いたくなる金額です。

 ようやく、国も重い腰を上げて、今、「指針」として、「タワーマンションでは、平米206円」というのを表示していますが、強制力はありませんから、分譲時に、適正な金額を制定していところは、まだまだ、少数派であり、どのマンションでも、入居後数年で、管理会社から、「大幅に値上げをしないと、やっていけませんよ」とか「段階的に値上げしましょう」っていう、「脅迫」に近い、進言をもらうわけです。
 でも、財政のことを考えるのは、非常に難しい案件であり、「輪番制でたまたま理事になっちゃった」と言う人には荷が重いです。特に、お金に関することは、説明を丁寧にしないと、たいてい、「反対だ!」となるわけで、役員の精神的負担も相当なものになります。

 おそらく、金額改定に際して、「実際にかける労力」とか「精神的負担」を、もし、「賃金」として計算すると、「値上の議案を通すには、500万円くらいの経費がかかるんじゃないの?」とか思うわけです。
 そういうのを、「マンションを買ってくれたお客さん」である、区分所有者に押し付ける「分譲会社」って、ひどいですよ。良心的な分譲会社であれば、分譲時に適正な金額を制定し、入居後には値上げをしなくても大丈夫、とするべきです。行政側も、くだらない「駐車場の台数指定」とか強制するんじゃなくて、「最低 平米=150円以上」とか、強制してほしいと思います。はっきりいって、行政の怠慢です。(前回書いた、「管理組合の書類の保管年限は法定の基準がない」というのと同様)

 そういうわけで、最後に、枕に戻るわけですが、「プリンターの本体価格と、インク代」と「マンションの修繕積立金の初期設定金額と、値上げ後の金額」って、なんか、似てるなあ、と思った次第です。

 「買うのは容易だけど、維持するのは大変」ってことです。そういうことをちゃんと説明してから売って欲しいなあ、マンションというのは。

(あとで苦労するのは、オイラたちなんだよねえ。上記の川崎の例みたいに、住民さんたちが自主的に動いてくれるマンションなんか、実際は少数派なんだから)






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