管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

センサーライト増えてます


 「人が近づくと、自動的にライトが点灯する」 センサーライトというのが急激に増えているような気がします。ホームセンターなどに行ってみると、防犯グッズコーナーにも大小たくさん置いてあります。住宅街などを歩いているときに突然光って驚くこともあります。


 センサーライトというのは2種類の目的で使われます。「防犯」と「省エネ」です。

 
@防犯

 「怪しい奴が近づくと、急にピカっと光って威嚇する」、これけっこう効き目があるそうです。特に夜は効果的です。周囲の注意も引きます。ただ点灯するだけでなく、点滅するものもあります。種類によっては同時にアラームやチャイムが鳴るものもあります。これはいっそう効果があります。ただし、うるさいです。

 当マンションでも、空き巣が話題になった時に、「うちはオートロックじゃないから、誰でもマンション内に容易に侵入できる。ポイント、ポイントにセンサーライトを設置して、防犯性を高めよう」と議題にのぼりました。今、センサーライトは需要が多いため大量生産されており、本体の価格はけっこう安くなっています。簡単に導入できるような気がします。でも、本体料金より、電気の配線工事がかなりかかるのです。特に屋外の場合は防水処理も必要ですし、簡単な工事ではありません。通路の地下を通すような工事だと、掘削料とかもプラスされ、すごい高額なんです。結局、見積もりを取ったものの、「これじゃ高すぎる。無理だ」となりました。
 「電池式のものもあるよ。これなら、配線は不要でしょ」という意見も出たようです。でも、「電池式だとワット数が小さくて暗いんじゃないの? それにいざという時に電池が切れてたら意味がないし。電池のチェックや交換は誰がやるの? 何でもかんでも管理人任せじゃ悪いでしょ」という、神様みたいなありがたい意見を言ってくれる役員がいてくれて流れました。防犯のことを考えると設置したほうがいいんですが、電池式はやはり管理人としては賛成できません。

 そんなわけで、組合としては何もしていないため、個人でつける人がいます。特に1階住戸のベランダにはいくつか設置されています。マンションの敷地内には、ふだんは、巡回する管理人しか通らない場所というのがあります。その場所を私以外が通る場合、その人は不審者です。ですから、そういった場所にセンサーライトをつけるというのは的確なんですが、事前に教えてもらわないと管理人は困ります。いつものように巡回している時に、急にピカっと光って、ビービー鳴ったら、私も驚きます。
(2014 追記 太陽光発電を使用して、電源不要のものも出てきているようです。それなら便利だなあ)

A省エネ


 このマンションでも、エレベーターの中の照明は、利用者がいないと5分後に自動消灯するようになっています。省エネ設計です。でも、その他の共用部分照明はつきっぱなしです。新しいマンションでは、玄関ホールとか共用部分の照明がセンサーライト方式になっていて、人が通ると点灯する仕組みにして、無人時は消灯するそうです。特に深夜は人通りが少ないから有効ではないでしょうか? かなりの電気代の節約になると思います。初期投資費用はかかりますが、省エネと防犯の両方の効果があり、長期的には有益なシステムです。


 そういえば、ビルのエスカレーターでも人が近づくと動き出すというのを見かけたことがあります。


2014 追記

こんな感じで、町のあちこちに「センサーライト」が増えましたが、そうなると、犯罪者ではない、普通の人が歩いていても、「あちこちでピカピカ光りやがって、頭に来る」って、不快に思う人も増えているわけでして。そういう人の中で、エスカレートした人が、センサーライトを壊す、といったこともおきているようです。
「犯罪抑止のために設置したライト」が、逆に、「犯罪を生み出している」ってわけで。なんか、変な世の中ですねえ。



2005/1