管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

にせ警官出没




 
ここのところ周辺では物騒な事件が多くて、嫌な世の中になってきました。幸い、マンション内ではありませんが、空き巣・痴漢・変質者・引ったくり・押し売り・詐欺商法・・・・・きりがないです。

 けっこう前の話ですが、管理人室の電話に「おふくろ、俺だよ。交通事故起こしちゃってさあ・・・・・」といういわゆる”オレオレ詐欺”の電話がかかってきたことがありました。その時はちょうど昼休みで寝ていたため、私のほうも「はい、○○マンションです」とはこたえず、受話器をとっても何も言わずにいたので、向こうが勝手にしゃべくりたおしたのです。当然、「バーカ、おまえ何トチ狂ってんだ」と言って切りました。

 このマンションは小学生はさほど大勢いないんですが、地域全体で”マンション単位の集団登校”が行なわれており、他の子供の多いマンションでは、朝8時頃には玄関ホールに大勢の子供たちと母親が集って騒々しいそうです。管理人室のドアを開けるのも、「ちょっとごめんなさいね」、掃除道具もって外に出るのも、「ここ通らせてね」といった状態です。管理人室に電話が来ても、この集団のおしゃべりがうるさくて、よく聞こえない弊害もあります。集団登校が始まってから、「玄関ホールに大勢人がいてジャマよ」「パジャマ姿で新聞を集合ポストに取りにいくのが恥ずかしいなあ」といった苦情も出ているとか。

 子供同士でも、「○○ちゃんがまだ降りてこないから、出発できないよ」と遅刻する子供を非難する声が出ます。私みたいに朝寝坊の子供はつらい制度です。

 ところで、世の中がおかしくなってくると変な奴もやってきます。

 「こんちわ」(姿は警官です) 「どうも」 「今度、公園前に来ましたものです。よろしくお願いします」(「公園前派出所に来た」、とは言わない)「はい、こちらこそ」「昨日、2丁目で痴漢が出ました。こちらのマンションも注意して下さい」「あ、はい、わかりました。ありがとうございます。」「では、これで」(敬礼) 「どうもご苦労様です」
 話す内容、態度はおかしくないのですが、初めて見る顔です。それにちょっと気になることがありました。いつも見るほかの警官と制服が違うのです。気になって、署に電話してみたら、「胸にワッペンのある制服はありません。それは当県警の警察官ではありません」というお答え。だったらどこの警察なの? え、もしかして
ニセ警官?

 そう、ニセ警官でした。といっても、何か悪いことをするわけでもなく、警官のふりをして市民に話しかけるだけのようです。いわゆる、「制服マニア」だったらしいです。そんなわけで、本当だったら「警察の威信にかけて逮捕する!」はずですが、「困った奴がいるんですよ。しょうがねえなあ」と済ませて、逮捕されていません。警察に聞いたら、「ほかのことで忙しくて、そんな奴の相手してられないんです」と言ってました。オイオイ、それでいいのかよ。確かにこの人、自分から「警察です」とは名乗ってないから詐欺にはならないけど。警官と思い込んだのはこっちの責任だから。

  


2004/12


猿芝居に見事に騙されました