管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 お正月 「松の内」のあとに頼まれること

お年寄りの皆さんは、こういうことに気を使うんです

2014/1記

 
  これを書いているのは、2014/1/9です。

 さて、当地域では「松の内」は1/7までとなっています。というわけで、1/7になると、住民の皆さんは、自分の部屋の玄関ドアとかに飾っていた、正月用の「松飾り」を外します。

 この「松飾り」というのは、一般的には、その後行なわれる、地元神社での「どんど焼き」で燃やしておしまいとするわけなんですが・・・・・

 高齢者の家庭では、「神社が遠いので、そこまで持っていけない」というパターンが出現するわけでして。

 高齢者住民が、管理室にやってきて、
「あのさあ、管理人さん。この正月飾り、預かってくれないかな?」
「え? なんでですか?」
「しばらく預かってもらって、1/14の**神社のどんど焼きで燃やして欲しいのよ。お願いできない?」
「そんなこと言われても・・・・ このマンションを離れて、勤務中に**神社に行くのはできないですよ」
「だったらさあ、とにかく、管理人さんのほうで預かってくれない? そのあと、管理人さんが、どうしようと構わないから。燃えるゴミに出してもらってもいいわ」

 なんていう会話があって、最終的には私があずかる事になります。

 この住民の心理は。
「外した正月飾りは、本当は、自分が神社に出向いて、正式に燃やしたい」
「でも、高齢で足も悪く、遠くまで出かけることができない。若い家族もおらず、頼めない」
「そういうことを頼める友人知人がいない」
「管理人に預けてしまおう」
「とにかく、自分の手でゴミとして出すのは、神様に申し訳ないが、いったん自分の手を離れてしまえば、管理人がどういう方法で処分しようと、関係ない。気が楽になる」
というものなんです。要するに「気持ちの問題」なんです。高齢者のほうは信仰心が高いですから、こういう気持ちの人も少なからずいるわけです。

 この件も以前管理組合さんに相談したことがあるんですが、「燃やすゴミで捨てちゃえばいいじゃん」という結論で、「いちおう、管理人さんのほうで預かってあげてよ」と頼まれてしまいました。

 そういうわけで、非公式ではありますが、頼まれると、いちおう預かるんです。そして、その次の「燃やすゴミ」の日に、ゴミとして処分します。以前は、神社に持っていったこともあるんですが、やはり、「1時間留守にする」というのは管理上まずいわけでして、組合さんの許可もあるわけで、今は、当マンションのゴミ集積場に出しています。

 とはいっても、私も日本人ですからねえ。ポイ捨ても申し訳ないので、地元の神社の方角に向かって、拝んで、心の中で「恐縮ですが、ゴミ焼却場の中で燃やせていただきます」とお断りして捨てております。


 こんなことも管理人がやっているんだ、ということを、お心の隅に留め置いていおただければ幸いです。では、皆様、良いお年になりますように。