管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

ペット関連のゴミ 



 このマンションは、分譲当時はペット禁止だったのに、なんで後から許可しちゃったんでしょうか? 

 そして、許可する際になぜ「一代限り認める」にしなかったのでしょうか? ペットが増える一方です。糞尿をめぐるトラブルも耐えません。

 過去に一度、問題が大きくなった時に、ペット飼育反対派の声に押されて、「野良犬のものかマンション住民の飼っているものかわからなくても、敷地内で糞を見つけたら、ペット委員会会員が始末する」と決まったらしいのですが、その誓約書の署名欄は2年以上たっても埋まらず、現実問題として、会員が清掃したことなど1回もなく、我々がいつも始末しています。ペットを飼う人は約束など守りません。他人に迷惑をかけても平気だからマンションでペットを飼うのでしょう。日本の現状では、飼育に関して資格制度もなく、お金さえあればすぐにペットを飼えます。狂犬病予防注射の実施率にしても、「実際は6割程度」と言われています。当マンションでも、飼育開始の際、何の審査もなく、申込書1枚で飼育OKです。
 飼育細則というのがあって、そこにはいろいろな制限や条件が書かれています。それをよく読んでから、ペット購入を決めるべきなのに、ほとんどの人が、「ペット買ったんだけど、飼育細則のコピーくれない?」という有様です。いいえ、飼育細則の存在すら知らない人がいます。ひどいもんです。

 さて、どこの自治体でも同じだと思いますが、「ゴミを減らしましょう」という運動が、この街でも行なわれています。「不要なものは買わないこと」とか、役所には書かれています。
 ペットって必要なんでしょうか? 不要じゃないですかね。今、スーパーとかに行っても、ペット用品売り場の拡充がすごいです。そういう状況は、ゴミ集積場に如実に現れます。我々管理人はごみ問題の最前線にいますから、よくわかります。

 ペット関連のゴミがすごいんです。いろいろな商品があります。「なんかこれ重いなあ」と思ったら、トイレ用の砂だったこともあります。「ネコ用ジャングルジム」の大きな空き箱が捨てられていたこともあります。「犬猫が外に出て行かないための柵」が捨てられていたこともありました。これは、大きさからいえば粗大ゴミなんですが、飼主はいい加減ですから、平気で家庭ごみに混ぜます。
 特に多いのが、ペットフードの空き缶。数からいうと、ビール缶よりも多いでしょう。困るのは、こういう缶を出す時は、「中身を洗ってから出してください」となっているんですが、犬猫が食べて、そのままカスが残った状態で捨てる人がほとんどです。このため、悪臭が漂います。虫が寄ってきます。特にペットを飼うような人は、ゴミ袋の口をきちんと閉めることすらできませんから、中身がこぼれることがよくあります。蟻も寄ってきます。とにかく汚いです。
 でも、缶詰の表示を見ると、肉やら魚やら、人間から見てもおいしそうなものが入っています。「老犬用にビタミン強化」なんてのもあります。うちの妻に食べさせてあげたいほどです。今のペットフードは相当贅沢です。そういえば、ペットフードの工場がある東南アジアの国では、「これは日本人(人間)が食べる物だと思っていた。ペット用だなんて知らなかった」と、工場で働く人が驚いたそうです。そりゃそうでしょう。人間が飢えている国が世界中にいっぱいあるのに、こんな贅沢な物をペットが食べているなんて思いません。
 聞くところによると、「ペットフードが激増のため、実際の日本の食糧自給率は激減している」そうです。ペットフードもほとんどが輸入品です。なんという国なんでしょうか? 黒柳徹子さんも、世界の貧困問題も訴えるなら、日本のペット問題にこそ焦点を当てて欲しいです。犬を買うお金、飼い続けるお金、それがあるなら激貧の国に寄付しましょう。

 日本人のペットブームがどれだけ全地球に対して迷惑なことか、よく考えてみましょう。

(この頁、反論無用)


2004/8


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