管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 慢心 なあなあになってくると 


 経験が少ないのも困りますが、長年同じ仕事をしてくると、「なあなあ」とか「慣れすぎ」「慢心」という油断が生じてきます。これは、自分自身も気をつけなければいけないことです。「慣れが一番怖い」とは、以前いた会社の安全衛生委員もよく言ってました。
 特に、待遇が悪い管理人職というのは、やる気が最初からないですから、「別にいいや、適当で」などと思いがちです。

 ところで、当マンションに来る水道屋さんも、ここ10年間、同じ業者さんに固定しています。「勝手知ったる我が家」という感じで作業してくれるため、こっちもやりやすいのですが、先日の雑排水管清掃では大きなポカをしてくれました。
 高圧洗浄の管を長く入れすぎたために、隣室の洗濯機排水管から汚水が逆流し、その部屋が水浸しになってしまったのです。こんなこと初めての事故です。スタッフもいつもどおりの大ベテランだったのですが、ちょっとしたミスがあったようです。困ったことに、この隣室というのが清掃当日留守だった(全室実施しないと意味が無いため留守されるのは大変困ります)ため、水浸しに気がついたのが、夜遅くに帰宅した時でした。本人は何が起きたのか理解できずに大慌てで騒いで、「管理会社に電話」⇒「管理人緊急出動」(土曜日の夜でゆっくりしたかったのに)となったわけです。といっても、当方も何が原因で水浸しになったのかはすぐにはわからず頭を抱えてしまったのですが、しばらくして「高圧洗浄が原因かも?」と思いついた訳です。とりあえず、家人とともに床の掃除をして、「すいませんでした」と頭を下げた次第です。幸い、家財に被害はなかったのが助かりました。その住人も「損害賠償!」とはいいませんでしたし。在室していて、清掃作業を行なっていれば、水浸しになる前に気がついたわけですから、住民にも少しだけ落ち度があります。それにしても、高圧洗浄の威力というのはすごいもんだと驚いた次第です。

 今回の事故の原因は水道業者にあるのですが、結局電話で謝っただけで、その業者の人間はその後一度も顔を見せず、当然住民にも謝罪していません。この他のことでも、ここのところ「融通が利かない」とか「丁寧でない」と思うことが増えてきました。今の世情で「入札もなく、毎年決まった仕事がコンスタントに、かつダンピングもなしに、自動的に来る」というのは非常に恵まれていることなんですが、そんなこと関係なく、「慢心」しているようです。「慣れ」はありがたいものの、こういう弊害もあります。そろそろ業者を変えたほうがいいのかもしれません。

(公務員なんかは3年ごとに職場を変えるそうですが、「癒着をなくすため」とはいいながら、ろくろく仕事を覚えないうちに変わるのは、どんなもんなんでしょうかねえ? そんなことだから、三菱の犯罪も見逃していたわけだし、薬害エイズも放置していたわけで。ころころ変えるのも弊害があります。在任が長くても短くても悪い公務員はしっかり悪いことをするし。公務員そのものがろくでもない人間ばかりだから、何しても意味ないのかも)


2004/1