管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 不動産屋 


 

 管理人をやっていると、「中古マンション仲介不動産業者」とのつきあいが当然出てきます。不動産業者というのは、一般常識として「ろくでなし」と思うのが普通ですが、私が実際に関わる業者も、1社を除き、だめな奴らばかりです。

 
「取り扱う時は連絡して欲しい」・・・部屋が売りに出れば、当然のごとく、その部屋を見に来る人がいます。つまり、マンション住民以外の部外者です。何の挨拶もなしに入ってくる人ばかりで、管理人から見ると、「ただの不審者」としか思えません。
 「今度、○○号室の売買を扱うことになりました。私は西急不動産の××です。よろしくお願いします」と最初に教えて欲しいです。しかし、そうする人は少ないです。”オープンルーム”といって、土日などの週末に、その部屋を開放して、たくさんのお客さんを呼び、その部屋の中には不動産屋が常駐して、商談することがあります。マンション周囲には幟を立てることもあります。玄関ホールには、「オープンルーム開催中 ○○号室」という看板を立てることもあります。こうなると、関係者の自動車も入ってきたり、大がかりなんですが、これさえ事前挨拶無しにやる、ひどい業者がいます。こういった業者は当然のことながら、このマンションの細かなことは知らないわけで、購入する人に対する説明もいい加減なものです。なかには、「ここはペットOKですよ」と平気で宣伝してしまう業者もいて、「厳しい規則を守れる場合のみ」ということの説明はありません。「自転車置き場は各戸1台きり」「バイク置き場はない」ということも説明せずに、「なんでも置けますよ」みたいな適当なことを言っている場合もあって、これらはあとあとトラブルになります。「ちゃんと連絡してください。こちらからも事前に伝えておくこともありますから」と言うと、「そんなこと言われたのはお宅が初めてだ。失礼なこと言うな」と逆に怒られたこともあります。ほんと、常識通用しない連中です。

 「扱い開始の時も連絡なし」「売買が決まっても連絡なし」・・・
というのはよくあるケースで、売買契約を正式に結んだ後で初めて連絡が来ます。はっきりいって遅いです。いい加減な不動産屋というのは本当に最低限のことしかやりません。売ったら、あとは知らん振りというのもよくあります。契約を結んだ日が新しく入る人の引越し日だったりすることもあります。前住んでいた人はいつの間にか知らないうちに転出していた、ということもあります。(今は不況でいろいろ事情があるため、管理会社や組合に何も知らせずに出て行くケースが増えています。そういう人が管理組合の役員だったりすることもあり、「新年度が始まったばかりなのに、副理事長が突然いなくなった」ということもありました。)
 引越しというのはエレベーターを数時間独占することになり、他住民への影響が多いです。前もって知らせてもらわないと、「エレベーター点検と重なって、エレベーターが使えない」とか、「週に1回、病院へリハビリに行く高齢者がいるのに、その人がエレベーターを使えない」などの困った事態になることがあります。引越し業者の中には、管理人に一言もかけずに、勝手に敷地内にトラックを入れて、引越しを始めるひどいのもいます。「清掃局のゴミ収集車が入れなくなって、ゴミが収集できなかった」という最悪事例もあります。とにかく不動産屋はこういった情報を事前に流してくれないと困るのです。
 管理費にしても、早めに連絡してもらわないと、銀行の自動引き落としの”停止””登録”の手続きが遅れて、切り替えがうまくできなくなることもあります。前の居住者が管理費を滞納していた場合、購入者に支払い義務がありますが、こういったことがきちんと処理されていないとトラブルになります。

 いずれにしろ、不動産業者は、どんな些細なことでも管理人に伝えておいて欲しいのです。管理人をバカにしたように、何も連絡しない悪質不動産屋が多く困っています。宣伝チラシをポストに蒔く時だけ、ヘコヘコしますが、それ以外の態度はだめです。また、売主側の不動産屋と買主側の不動産屋が異なるケースもよくあり、あらかじめ説明をうけていないと、こちらも混乱します。A社に「○田さんの管理費の引き落とし開始の件だけど・・」と聞いても、「あ、それ、それはうちじゃなくて・・・」と言われるのです。

 先日、こういうダメな不動産屋の1社が、「管理人さん、いつもお世話になっています。これ、販促品の余りなんだけど、よかったら使って下さい」と、健康マッサージ器具を持ってきました。「お、なかなかやるじゃん」と思って、ありがたくもらいました。でも、その製品、中国製の安物で、1時間使ってすぐに壊れました。この業者、かえってポイント落としました。

 売買以上に、「賃貸」の不動産屋もひどいです。それはまた今度。

 


2004/3