管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 エレベーター点検 


 
 エレベーターは重要な設備です。点検整備も大事です。ここは某大手M社のフルメンテナンス契約を結んでいます。古いタイプのため、月に2回の点検があります。ただし、2週間に1回のようにきっちりした間隔ではないため、正月など「1回目が22日、2回目が29日なんていう、「1週間しか間隔あいてないけど、意味あるの?」という月もあります。東西2台の点検のため、合計2時間ほどかかります。

 前任者の時は、「何日の何時から点検があります」という予告をしていませんでした。そのため、点検中にエレベーターを利用しようとする人があわてます。重い荷物を持った住民が、「え、なに? エレベーター使えないの? 階段であがるの?」と困ることがあります。私も、8階に住む老人が、1階のエレベーターホールでがっかりした顔をしていて、しかたなく背負って階段を登ったことがあります。

 そのため、最低でも前日には「点検のため2時間程度使用中止になります」という予告掲示を行ないます。また、当日、引越しや工事などで「エレベーター利用は必須」の用件がある場合は、点検を別の日にしてもらいます。そのためにも、引越しや工事はあらかじめ管理人にスケジュールを教えていただかないと困ります。一度、引越しとバッタリ合ったため、エレベーター会社のお兄さんに、「悪いけど、適当でいいから、とにかく早く終わらせて」と頼んだことがあります。

 いつも同じお兄さんですから、顔見知りになります。でも、なあなあになってくると、向こうもいい加減になります。事前の連絡を忘れたり、約束の時間を守らなかったり。一度、ルーズすぎるため、本社にガチンと言ったことがあります。それ以来、しっかりしています。(馴れ合いというのはいけません)

 エレベーターは普通ほとんど故障しませんから、何も問題は起きません。実際、たいした点検はしていないようです。問題といえば、「点検中」というマグネットの看板を、いたずら小僧が剥がして投げ捨てたり、「実は先週、エレベーターの隙間に自転車の鍵を落としちゃったの。点検ついでに拾ってくれない?」程度のものです。

 1回だけ大きな故障がありました。エレベーターが勝手に上下してしまう症状で、扉は開かずにひたすら動いていました。症状が発生したのは午前10時頃。すぐに連絡して担当者が来ましたが、処置できません。応援が2人来ました。どうやら機械と言うより、コンピューターのROMがおかしいようです。「試しに2号機のROMを1号機にセットして正常になるかどうか調べます」といって、2台とも止めてしまいました。これからが長かったです。最終的に、別のROMを会社から持って来てセットして、完全に復旧したのは夕方6時過ぎ。残業ですが仕方ないです。この間、エレベーターを使えない住民から、苦情・質問がジャンジャン。おんぶすることはなかったですが、重い荷物を一緒に持って上がったり、けっこう忙しかったです。電脳社会の欠点ですね。なるべく壊れないでもらいたいです。



2003/5