管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 郵便ポスト (集合ポスト)


 当マンションの集合ポストは、サイズがとても小さいです。いわゆる昔の「公団サイズ」というやつでしょうか。昔はそれでもよかったのですが、今はDMはバンバン来る、チラシ投函しょっちゅう、通販のカタログ、などなど、量・サイズとも増えています。マンションによっては「チラシ配布一切禁止」という厳しいところもありますが、ここは「各部屋の新聞受けに入れるのはダメだが、集合ポストはOK。ただし、あやしいチラシはダメ」という規則になっています。チラシ配布する人は、管理人にチラシを見せて了解をとってから配布します。無断配布は厳重に注意します。
 というわけで、1週間留守にすれば、すぐに満杯です。投入口も狭い(A4サイズの短辺にあわせてある)ため、ちょっと大型の通販カタログだと入りません。しかし、配達業者さんは無理矢理ねじこんでいきます。このため、投入口部分の金具が曲がったりします。困ります。
 また、チラシ配布をする人も、「目立つように」と、チラシを中にストンと落とさずに、投入口のところにわざと挟む人がいます。(会社からそう指示されている) こうやって入口を塞がれると、郵便局の配達は困ります。だからいつもブーブー文句言ってます。管理人の私も、市の広報やら管理組合からのお知らせを全戸に配布することがありますが、通販カタログがガッチリ蓋をしていると参ります。

 それにしても不思議なのは、これだけ犯罪が増え、個人情報漏洩についても敏感になっているのに、ポストにカギをつけていない人が非常に多いのです。ここでも約半数は無施錠です。昔のポストのため、カギをつけると開閉が面倒になるのはわかりますが、無頓着加減には驚きます。その割には、ポストに名前を出しません。おそらくこれも、「面倒だから」なのでしょう。でも、このマンション、同姓の人が大変多いので、誤配がしょっちゅうです。部屋番号を書かないで投函する側の問題ですが、郵便屋さんも大変です。メール便などの宅配業者が配達するものは、転居情報が伝わっていないことが多く、無記名ポストだと、これまた誤配のもとです。無記名のくせに、やたら多くのお客さんが訪ねてくる部屋があります。その度に「○○さんの部屋ってどこですか?」と聞かれて答えます。なんで名前を出さないんだろう。(&そんなに多くのお客さんが来るなんて、どんな仕事をやってるんだろう?)

 誤配の郵便物が自分のポストに入っているのを発見すると、その人は、なぜか、その「誤配郵便物」を、管理人室のポストに皆さん入れていきます。別に、管理人側から「そうしてください」と頼んだこともないのに、「あとの処理は管理人に任せる」と勝手に思い込んでいるようです。ご自分で郵便局に「間違えてますよ」と伝えることはなく、すべて管理人任せです。
 郵便配達というのは、本局ですべて配達順に並び替えられてそろえて持ってきます。配達人は宛名は見ていません。部屋番号だけ見て投函します。このため、差出人が部屋番号を間違えていると(101を110と書いたり)、ポストに大きく名前が書いてあって、一目で違うとわかるはずでも、そのまま間違えた所に入れてゆきます。また、郵便配達人の完全なミスで、部屋番号も名前も合っているのに、違う人のポストに入ることもあります。こういう場合、間違えて入れられたポストの住民が、自分で正しい人のポストに入れ替えてあげればいいのに、それも管理人ポストに入れるのです。神経がわかりません。なんでもかんでも、「面倒なことは全部管理人へ」と思っているようです。

 不要なチラシが大量にあるため、集合ポストの横には、「不要なチラシはここへ。古紙回収に出します。ただし、ビニール包装のものは入れないで」という紙くず専用ゴミ箱を置いています。これは1日で満タンです。空き缶、お菓子の袋などの関係ないものを入れる人が多く、毎日分別に苦労しています。一番困るのは「チラシにまぎれて、大事な手紙を捨ててしまったみたい! どうしよう」と駆け込んでくる人です。「大事な書類を間違えて捨てないよう注意して下さい」と警告してあるんですが、こういう人がいます。ゴミ収集前なら、いっしょになってゴミ箱をあさります。

 毎日、紙くずを整理していると、ほとほと嫌になることがあります。この紙くずというのは、まったく読まれることなく捨てられた紙くずです。貴重な木材資源の浪費になります。環境破壊です。
 この中に、「市の広報」や「管理組合からの大事なお知らせ」、はては「総会開催通知」まであるのです。大切な書類を一瞥することもなく捨てられる神経が不思議でなりません。これでは、管理組合の運営が大変なのも道理です。公共マナーを守れない人が大勢いるのも当然です。

 余談ですが、このポスト、現在製造中止で在庫がまったくないため、壊れても交換できません。修理するしかありません。こういう大量に使用された規格品は、交換部品を長年保有していてもらいたいです。


2003/11追記