管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

管理人の代務要員 派遣会社から派遣 どうかな?




 
 どこのマンションの管理人にも「有給休暇」というものがあったり、ないところでも、(高齢者が多いことから)「病気で休む」「親戚で不幸があった、法事で休む」など、休むことがあるものです。

 そのために、どこの管理会社でも「代務要員」というものを用意しています。たいていは、「65歳以上の年金生活者で、たまにちょこっとアルバイトして小遣いを稼ぎたい」という人をキープしておいて、その都度配置します。その会社のOBであることが多いです。
 当社「飯加減」の場合、そういうキープをちゃんとしていないので、誰かが休む際には、「なるべく有給休暇はとるな」とか、露骨に嫌がらせをしてきます。それでも休まないといけない場合もあるわけで、そういう時は、社内であれこれやりくりして人を配置しています。

 今回は、ご近所にある別の管理会社のマンションの話です。そこも、「代務要員をきちんと用意していない会社」だったのですが、病気になる管理員が続出し(病気の初期段階で病院にいかせないから悪化する)、「代務員をきちんとしなくては」ということになり、ようやく重い腰をあげたそうです。ただ、自社で用意するのではなく、「人材派遣会社」に依頼したそうです。

 近所のマンションの「原口管理人さん」(仮名)も、ついこの前、インフルエンザで1週間ほど休んでしまい、その際に、派遣会社から代務員が来たそうですが、その代務の人の勤務が終わって、原口さんが復帰したら、「自転車駐輪場の駐輪費として預かっていた6000円が消えた」と問題になったそうです。現金は金庫とかではなく、机の引き出しの中に入れておいたので、管理室に入れる人なら誰でも盗める状態だったそうですが、犯人候補として一番に上がるのはやはり代務の人な訳でして。

 無論、代務の人は「自分はそんなことをしていない」と反論。らちがあきません。といって、「管理室の鍵を持っている理事長」を疑うわけにもいかず。

 こういう、「貴重品類」に関することも問題ですが、管理人という仕事の性格上「個人情報」というのも問題なわけでして。代務員が、勤務中にかかってきた電話に応対した際に、「安易に住民の個人情報を教えてしまった」ということもあったそうです。

 「人件費が安く済むから」と発注した派遣会社ですから、当然、安い時給で働かされる、「それなりの能力」の人しかきません。また、個人情報保護の観念もない人がきたりします。

 マンション管理員としての最低限の教育も受けていない人を、代務員として、派遣してもらうのってどうなんでしょう? 管理員って一人勤務だから、悪いことだってやり放題だし。さぼってもわからないし。(17時までの契約なのに、16時で帰っちゃうとか)

 やっぱり、自社で代務員を養成すべきじゃないのかな?




2011/2