管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

 設備点検員に同行 屋上は怖い 


 
 


 今日は「月に1回」行われている「設備点検」の日でした。
 
 この日は会社から専門の技術者が派遣され、給水ポンプだとか、電気設備などの点検整備を行います。管理会社によっては、技術職の人間を持たない会社もあり、その場合は、別の会社に設備関係のメンテナンスを委託しています。当社の場合は、技術課というセクションがあり、そこから来ています。といっても、実際に来るのは、どこか別の会社を定年退職し、「週に2〜3回巡回点検する」アルバイトです。資格などはちゃんとあるので問題ないのですが、お年寄りですし、若い人と同様にシャキシャキ働けるわけではありません。

□年齢的な問題 体力低下など
□勤労意欲が少ない 定年退職して、すでに年金ももらっているのでガツガツ働かない。のんびりしている。
□給料が安く、まともに働く気になれない。

 高齢者ということは、2〜3年ですぐに辞めてしまう人が多く、「7年前に交換した電灯がなんか調子悪いんだけど」「私はその時にはいないのでよくわかりません」という不具合がおうおうにして生じます。ある程度長く働いていてくれれば、過去の経験を蓄積してくれますが、人がコロコロ入れ替わり、かつ、メンテ記録をきちんと残しておかない体制では、困ることが多いのです。ただ、定年退職者は給料が安くて済むので、会社としてはそういう人しか雇用しません。

 今日のような寒い日は設備点検員の仕事は大変です。今日はたまたま「週に一度の屋上清掃日」なので、いっしょに屋上に上がりました。
 この「週に一度の屋上清掃日」というのも、適性化法施工後に、「清掃項目を詳しく記載する」となった時に、付け加えられた項目でして、高所恐怖症の私にとっては実に嫌な仕事です。清掃パートさんも、「あんな危険なところにあがりたくない」と拒絶したため、仕方なく私が上がっています。しかし、屋上のゴミというのは、風に吹かれたりして、隅っこに集まることが多く、それを清掃するというのは、屋上の隅ギリギリまで足を踏み入れることになります。そんな場所でちょっと眩暈でも起こしたら、ヒッチコック映画のように、すぐにまっさかさま〜ガッチャーン〜即死です。以前、「命綱とかロープとかなんか用意してよ。危険だよ」と担当フロントにお願いしましたが、反応はないです。

 設備点検員さんは毎回、屋上の上のエレベーター機械室のその上にある「給水タンク」のその上に上り、蓋をあけて中を確認します。屋上からさらに5メートルほど上になります。そこを粗末なはしごだけで上に上がるのです。はしごの周囲には転倒防止柵が申し訳ない程度についていますが、スカスカのもので、確実に落下を止めることはできないでしょう。今日は、鉄製の梯子が寒さで凍り付いていたようで、点検員さんが誤って足を踏み外しました。「うわ!」と私は驚きました。なんとか、落下せずにすみましたが、非常に危険でした。「ねえ、点検員さんて命綱とかつけないの?」「そんなものなくても大丈夫だよ。オレは怖くネエ」「いや、そういう問題じゃなくてさ。現に、今日も踏み外したわけだし、会社として、危険作業の際のマニュアルとかないの?」「聞いたことねえな」・・・・
 こんなんでいいのかな? タンクはポリ製で雨が降ったりしたらすごく滑るし、タンクの上には一切柵なんかなくて(ライオンズマンションは周囲を壁で囲んでいるので、ちょっとは安全です)、危険このうえないです。なんかあったらすぐに死亡事故です。いままで、たまたま幸運で、こういう事故がなかっただけの話で、今後も事故が起きない保証なんて全然ないです。

 また、高所にある蛍光灯など、我々が交換するのは無理なものも、この点検員さんに頼むのですが、長いはしごを使う際は二人一組で作業しないと危険なのに、一人でひょこひょことやってしまいます。「押さえてなくて大丈夫ですか?」「平気平気、あんたは自分の仕事してな」とか言ってます。

 やはり、零細企業は、安全衛生の概念が欠如してますネエ。私も自分の身は自分で守るしかないので、たとえ、ゴミを発見しても、危険な場所の場合は放置してます。(でも、そのわりには、安全衛生関係のポスターはしょっちゅう配布されて、「必ず貼りなさい」と指示されています。貼ればいいってもんじゃないよ)
 


2006/1



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