管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

管理人は「日の出日の入りの時刻」を知っていないといけない





2014/3



 このマンションの「管理人業務」の中で、「けっこう面倒だなあ」と思う仕事が「共用部分の照明灯のタイマー設定」です。
 ここの照明灯タイマーの機械は、「暗くなったのを感知して自動点灯」「明るくなったから自動消灯」ではなく、すべて、「手動」です。「6時15分消灯」「17時15分点灯」といったふうに、管理人が手動で設定します。

 この設定作業をするには、資料が必要になります。つまり、当地における「日の出の時刻」と「日の入りの時刻」を知らないと設定できません。この時刻と、「西棟は、朝、日の出から少し時間がたたないと廊下が明るくならないから、消灯時間は、東棟よりも遅らす」といった「当マンション独自の事情」を総合的に勘案して、照明灯のタイマーの設定を1機1機、管理人が手作業で行ないます。(コンピューター制御とかにはなってません。機械は全部で12台もあるので、なかなか大変な作業です)

 私が、このマンションに赴任した際にいた「前任者管理人」なんですが、この人は「いい加減」と「緻密」が混在した不思議な人でして、この「タイマー設定」に関しては、ものすごく細かくてびっくりしました。

 この人、なんと、1年間365日、毎日、新聞の地方欄の「今日の日の出日の入り時刻」という記事を切り取って集めていたのです。なんたって365枚分ですから、なんか、豆腐みたいな形になってました。そして、これを元に、こまめにタイマーの時刻設定を変えていたのです。
 今であれば、ネット検索ですぐに日の出時刻とかはわかりますが、昔の話ですし、その人はPCは使わない人でしたから、こういう方法で情報を集めたのでしょう。すごいなあ、と感心しました。
 
 私は、この「365日分の資料」を引き継いだわけですが、いかんせん、大きな紙の塊でかさばるため、パソコンのワープロソフトで、3枚の紙にまとめなおしました。ただ、365日毎日、タイマーを変える訳ではないってことがわかってから、「365」ではなく「20くらい」にまとめなおし、A4の紙1枚にまとめたものを作り、今は、それを使ってタイマー設定をしています。秋と春は、日の出時刻が毎日大きく変わるので、わりとこまめに設定を変えないといけませんが。

 このタイマーの文字がホントに小さくて、老眼が進むほどに「見えない。やりにくいなあ」と困っています。